配達途中、カメラのキタムラに立ち寄ったら、ショーケースにPENTAX SVがあった。
¥980
これはいけないと思った。
仮にもSVなどの名機にそんな価格はいけない。
もはや屈辱的な仕打ちですらある。
まわりには、同時代のNikonが安くなったとはいえ、数万円の値で並んでいた。
こころなしか、SVもうなだれ加減に見えた。
いっそひとおもいにやってくれ!
そんなことを呟いてるのがガラス越しに伝わってくる。
「よし待ってろ!」
店員を呼んだ。
ショーケースの鍵が開けられた。
憔悴しきった様子のSVのカラダを引きずり出す。
「オレはもうダメだ。放っておいてくれ・・・」
「何を言う!俺はアンタをずっと尊敬してたんだ」
シャッターをチャ-ジ、切れる。
「もらおう。金なら用意してある・・・」
指の切れそうな千円札を差し出す。
「ポイントカードはお持ちですか?」
「あ・はい、あります」
「ポイントはどうなさいますか?」
「あ、ためで・・・」
・・・という次第で、SVがやってきました。
ウチに帰ってよく調べると、1/500と1/1000がシャッターが開かないことが判明。
うーむ。ま、そんなもんだろう。
いちおう底ぶたを外して、テンションバネの辺りにベンジンを流したら、シャッターが開くようになった。
これは、とてもレストアとは呼べないが、とりあえず許してもらう。
(ビュッカーさん、読まないでネ♪)
遮光モルトだけ対策して、もらい物レンズを装着!
「お若いの、この年寄りにまだ仕事をさせようってのかい・・」
SV、まんざらでもなさそうな顔をしている。
PENTAX SV / 55mm F1.8