ヤシカ35には持病があるといわれています。
レリーズ半押しでシャッターがキャンセルされてしまうというものです。
「よ~し、撮るぞ、撮るぞ・・・ちょっと待てよ、ン~今だ!アラ?」
原因は、カメラのシャッターチャージとレリーズの連携部分にあります。
一度撮ったら、レリーズがロックされる仕組みが、(半押しのギリギリまで行くと)シャッターが切れないうちに作動してしまうのです。
結果、次の巻上げに移行してしまうために、フィルムが1コマ無駄になってしまう・・・
全国に何万人ともいわれる、この『シャッターキャンセル症候群』に悩める方がたの一助になればと・・・(いや数人かも知れませんが)、ま・疑問の点はともかく、せっかくですので発表を続けさせていただきます。
コレがレリーズ部分。
軍艦部を外すと、スポッと抜けます。小さなバネが効いているので飛ばさぬように!
というか、ここらへんは実は分解の必要はないのです。(後注)
このふたつの部品の間にロックの爪がはさまる仕組み。
シャッターが切れる位置と、ロックがかかる位置の微妙な関係で、『シャッターキャンセル症候群』になってしまうのです。
この位置関係を調整するネジが・・・
こんなところに・・・
マイナスドライバーでほんの少し回すと、キャンセル位置が調整できます。(偏芯ネジ?)
ほとんどシャッターの切れる位置に肉薄するするように調整しましょう。
さぁ、いかがでしょう?
ギリギリまで半押ししても、シャッターがキャンセルされなくなりました!
調整用の窓があるところを見ても、メンテナンスが想定に入っているということかな。
*よく見るとネジは透明のボンド状のもので回り止めされていますから、本来は止めなおすべきところです。出荷時の調整が、経年で緩んだり磨耗したりで『キャンセル病』を発症するのでしょう。もともとそんなにシビアに調整していないのかも知れませんが。
注 : 貼り皮を剥がすだけで調整は可能ですから、実は軍艦部は分解はしなくてもいいです。
機構の説明もかねて開けたものです。
ただ、貼り皮をきれいに剥がすためには、ある程度周囲を外したほうがよいかとも思います。
微量のアルコールなどで接着を緩めておくのが賢いやり方。無理すると皮が破けますヨ!(ボクみたいに~♪)